「二重埋没ってどれくらい痛いの?」「麻酔の針が怖い」「術後のズキズキが続いたらどうしよう」──二重埋没 痛みへの不安は、施術を迷う最大の理由のひとつです。結論から言うと、多くの痛みは麻酔の選び方と術前後のケアでコントロール可能です。ただし、「どのタイミングでどんな痛みが起こり得るか」「これは様子見でいい痛みか、受診が必要な痛みか」を知っておくことが、安心して二重埋没を受けるための鍵になります。本記事では、手術中・直後の痛み、術後のケア、異常のサインと受診目安まで、二重埋没 痛みを時系列で分かりやすく解説します。
痛みの時間経過タイムライン
| 時間経過 | 痛み |
|---|---|
| 施術時:局所麻酔の注射 | 最初に「チクッ」とした針の刺激があります。薬液が入るときに「ジーン」とした圧迫感を感じる方もいます。数秒~数十秒で終わります。 |
| 施術中:糸を通す処置 | 麻酔が聞いているため強い痛みはほとんどありませんが、「引っ張られるような感覚」や「圧迫感」を感じることがあります。これは痛みというより違和感に近いものです。 |
| 施術直後(0~数時間) | 麻酔が切れてくると「チクチク」「ズーン」とした軽い痛みや重だるさが出やすいです。冷却をすると和らぎます。 |
| 当日夜~翌日 | 痛みがピークになることが多く、腫れや重さを伴います。我慢できる程度がほとんどで、必要に応じて処方された薬を内服します。 |
| 2~3日後 | 痛みは徐々に軽減し、腫れも落ち着き始めます。まだ「引っ張られるような違和感」や「軽い鈍痛」が残ることがあります。 |
| 1週間後 | 日常生活に支障のない程度まで痛みは軽くなり、違和感も減少します。強い痛みが続く場合は受診が必要です。 |
| 2週間~1ヶ月後 | ほとんどの方が痛みを感じなくなり、自然な二重ラインになじんできます。ごく軽い違和感が残る場合もありますが、時間とともに改善します。 |
手術中と直後の痛みの実際
二重埋没の痛みは、「手術中にどれくらい痛いのか」と「麻酔が切れた後にどんな痛みが出るのか」が大きなポイントです。実際には、多くの人が感じるのは麻酔の針のチクッとした刺激と、施術中の「押されている・引っ張られているような圧迫感」が中心で、「激痛で耐えられない」というケースは多くありません。ただし、麻酔の種類や量、緊張の強さ、眠れているかどうかなどによって体験は変わります。
麻酔の種類(点眼・局所・笑気・静脈)と効き方/副作用の概観
二重埋没では、主に以下のような麻酔が組み合わされます。
- 点眼麻酔:目の表面をしびれさせる麻酔。局所麻酔の針の痛みを和らげる目的でも使われます。
- 局所麻酔(注射):まぶたに直接打つ麻酔で、最も「痛みを強く意識しやすい」タイミングです。数十秒〜数分で効き始め、その後の施術中の痛みを抑えます。
- 笑気麻酔:鼻から吸入するタイプで、緊張や不安を和らげる役割があります。「ふわっとリラックスする」感覚を得られる人もいます。
- 静脈麻酔:点滴から投与し、うとうと眠っているような状態で施術を受ける方法です。痛みや恐怖心をできるだけ避けたい人向けですが、費用や事前検査が必要なこともあります。
それぞれにメリット・デメリット、副作用のリスクがあります。既往歴やアレルギー、過去の麻酔経験に不安がある場合は、カウンセリング時に必ず申告しましょう。
痛みのピークはいつ?(局所麻酔注射・術直後のズキズキ)
多くの人が「一番イヤ」と感じるのは、局所麻酔注射の瞬間です。点眼麻酔や笑気麻酔である程度和らぐとはいえ、まぶたはデリケートな部位なので、チクッとした痛みや、薬液が入るときの圧迫感を感じることがあります。ただし、数十秒〜数分で麻酔が効き始め、その後の縫合中は「触られている」「押されている」感覚が中心になります。
術直後は、麻酔が切れてくるにつれてズキズキする鈍い痛みや重だるさを感じることがありますが、多くは処方された痛み止めでコントロール可能な範囲です。「我慢できないほどの鋭い痛みが続く」「片目だけ激しく痛む」といった場合は、通常と異なるサインである可能性もあるため、早めにクリニックへ相談しましょう。
二重埋没の手術では、局所麻酔の注射時に「チクッ」として痛みを感じることがあります。痛みをゼロにすることは難しいですが、ちょっとした工夫で軽減できます。
その1. 呼吸法でリラックス
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• 深呼吸をする 麻酔の針が入る瞬間に「息をゆっくり吐く」ことを意識すると、体の緊張が和らぎ痛みを感じにくくなります。 |
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• 腹式呼吸 お腹を膨らませるように息を吸い、ゆっくり吐き出すことで副交感神経が働き、リラックス効果が高まります。 |
その2. 気持ちの持ち方
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・痛みを「一瞬」と捉える 麻酔の注射は数秒で終わります。「すぐ終わる」と意識するだけで心理的な負担が軽くなります。 |
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・意識を別の場所へ向ける 足先や手の指に意識を集中させると、顔の痛みに注意が向きにくくなります。 |
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・自分を励ます 「大丈夫、大丈夫」と自分に言い聞かせると気持ちが落ち着くことがあります。 |
その3. 痛みを抜く小技
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・肩の力を抜く 無意識に肩や首に力が入ると痛みを感じやすくなります。肩をストンと落とすイメージで力を抜きましょう。 |
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・施術前にストレッチ 首や肩を回して血流を良くしておくと、緊張が和らぎ痛みを感じにくくなります。 |
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・緊張を伝える 「少し緊張しています」と一言伝えるだけで、施術者や介助者の声掛けや進め方がより丁寧になることがあります。当院では、痛みを感じるタイミングでトントンと優しく体に触れるケアを行っており、安心していただけるよう心がけています。 |
痛みの感じ方の個人差要因(緊張・睡眠不足・月経周期・既往)
二重埋没 痛みの感じ方には、個人差が大きく影響します。たとえば、極度に緊張していると筋肉がこわばり、同じ刺激でも強く痛みを感じやすくなります。また、睡眠不足が続いていると自律神経が乱れ、痛みの感受性が高くなることもあります。
女性の場合は月経周期との関係も無視できません。生理前や生理中は、ホルモンバランスの影響で痛みを感じやすくなる方もいるため、可能であれば避ける人もいます。過去の手術や注射の経験から「麻酔が効きづらかった」「気分が悪くなった」といった既往がある場合は、事前に相談しておくと、麻酔の選び方や当日の対応が調整しやすくなります。
二重埋没の施術における痛みの感じ方には、個人差があります。針を刺す瞬間の刺激や薬液が入るときの圧迫感は、同じ処置でも「ほとんど気にならなかった」という方もいらっしゃれば、「少し強く感じた」という方もいらっしゃいます。
これは、皮膚の厚みや敏感さ、緊張の度合い、さらにはその日の体調によっても変わるためです。
「痛みを強く感じたから自分のせいだ」と思う必要はまったくありません。痛みの感じ方は患者様の責任ではなく、医学的に自然な差です。当院では、細い針を使用し、できるだけ短時間で処置を終えるように工夫しています。また、患者様がリラックスできるように声掛けを行い、“触れるケア”により緊張を和らげるよう心がけています。
「痛みが心配」という気持ちは自然なことです。安心して施術を受けられるよう、緊張や不安は伝えるといいでしょう。
当日の流れと痛みの「想定シナリオ」:入室〜退室までのチェック
痛みへの不安を減らすうえで有効なのが、「当日の流れ」を事前にイメージしておくことです。一般的には、受付 → カウンセリング最終確認 → デザイン決定 → 麻酔 → 施術 → 休憩 → 帰宅、という順番で進みます。そのなかで、「どの場面でどんな感覚が起こり得るか」を知っておくと、予想外の痛みに驚いてパニックになるリスクを減らせます。
たとえば、「麻酔の針のときに一瞬チクッとする」「縫っている間は引っ張られるような違和感」「終わったあとに徐々にズキズキしてくる可能性」など、あらかじめシナリオとして理解しておくことで、「これは想定内」と受け止めやすくなります。
術後の痛みを最小化する具体策
二重埋没 痛みをできるだけ軽く抑えるには、術後の過ごし方がとても重要です。特に0〜48時間の冷却と頭位管理、その後の温罨法と生活習慣のコントロールがポイントになります。また、市販鎮痛薬の使い方や、避けるべき行動を理解しておくことで、痛みの悪化やダウンタイムの長期化を防ぐことができます。
0〜48時間:アイシング・頭を高く・触れない/こすらない・安静
術後0〜48時間は、腫れと痛みのピークに当たる大切な期間です。この時期は、処方された痛み止めを指示どおりに服用しつつ、アイシングと安静を意識しましょう。冷却は、保冷剤や氷枕をタオルで包んで短時間ずつ当てるようにし、肌に直接当てたり、冷やしすぎたりしないことが大切です。
就寝時は枕を高めにして頭を上げ、うつ伏せではなく仰向けで眠るようにします。目元が気になっても、こする・押す・頻繁に鏡を触りながらチェックするといった行動は、痛みや腫れの悪化につながるため避けましょう。
3〜7日:むくみ期のケア(温罨法切替・塩分/水分・就寝姿勢)
3〜7日目は、強い痛みは落ち着いてくる一方で、「むくみや重だるさ」が気になりやすい時期です。クリニックの指示があれば、冷却から**温罨法(あたため)**へ切り替え、血流を促して回復をサポートすることもあります。ただし、自己判断で急に温めると腫れがぶり返す可能性もあるので、必ず指示を確認しましょう。
同時に、塩分の高い食事や就寝前の過度な水分摂取、夜更かしなどは翌朝のむくみを悪化させる要因になります。就寝姿勢は引き続き仰向けを意識し、枕の高さや寝具を工夫して、まぶたに余計な圧がかからないようにすることも、痛みと違和感の軽減に役立ちます。
市販鎮痛薬の一般情報(アセトアミノフェン等)※自己判断は避け医師指示優先
二重埋没後の痛み対策として、市販の鎮痛薬(例:アセトアミノフェン系など)を利用するケースもあります。ただし、自己判断で薬を追加・変更するのは避けるべきです。持病の薬との飲み合わせや、出血傾向に影響する成分が含まれている場合もあるため、基本的にはクリニックから処方された薬を優先し、追加で飲みたい薬がある場合は必ず医師に相談しましょう。
また、鎮痛薬は「痛みをゼロにする」ものではなく、「日常生活が送れる程度に和らげる」イメージで使うことが大切です。薬がほとんど効かないほどの激しい痛みが続くときは、薬の種類の問題ではなく、状態そのもののチェックが必要なサインかもしれません。
痛みが増えるNG行動(飲酒・喫煙・激しい運動・長風呂・サウナ・うつ伏せ)
術後の痛みや腫れを悪化させる代表的な行動として、飲酒・喫煙・激しい運動・長時間の入浴・サウナ・うつ伏せ寝があります。飲酒やサウナは血流を急激に促し、炎症を強くする可能性があります。喫煙は血管収縮や血流悪化を通じて、治りを遅くする要因となり得ます。
また、うつ伏せ寝や横向きで長時間圧がかかる姿勢は、まぶたへの負担となり、痛みや違和感が残りやすくなります。「早く普通の生活に戻りたい」という思いから、つい元の習慣に戻りたくなりますが、最低限のルールを守ることでトータルのダウンタイムを短くできる可能性があります。
メイク・洗顔・コンタクト再開と痛みの関係(しみる/圧刺激を避けるコツ)
メイクや洗顔、コンタクトの再開は、「痛み」と密接に関係します。再開が早すぎると、クレンジングの摩擦や洗顔料の刺激、コンタクト装着時のまぶたへの圧力などで、痛みやヒリつきを感じることがあります。再開時期の目安はクリニックの指示に従い、最初は短時間・軽めからスタートするのがおすすめです。
アイメイクは、まつげの生え際やライン付近を避け、ビューラーや濃いアイラインはしばらく控えると負担を減らせます。洗顔はたっぷり泡立てた泡を押し当てるように洗い、こすらずすすぐことが重要です。コンタクトは、まずソフトレンズから試し、痛みや違和感が強い場合はすぐに外してメガネに戻しましょう。
これは要注意!異常のサインと受診の目安(比較・事例・具体策)
通常の二重埋没 痛みは、時間の経過とともに少しずつ軽くなっていくのが基本です。しかし、中には「様子見で済ませてはいけない痛み」も存在します。特に、片目だけ急激に腫れてきた、拍動するような強い痛みが続く、高熱や視覚異常を伴うといった場合は、早期受診が重要です。この章では、「どんな症状なら要受診か」「受診時に何を伝えるべきか」「どこまで様子見してよいのか」を整理します。
要受診チェックリスト(片目だけ強い痛み/急な腫れ増悪/膿様分泌/発熱/視界のかすみ)
次のような症状は、通常のダウンタイムとは異なる可能性があるため、早めにクリニックへ連絡すべきサインです。
- ・ 片目だけ強い痛みが続き、痛み止めでもほとんど和らがない
- ・ いったん落ち着いていた腫れが、急にまた強くなってきた
- ・ 傷口から膿のような分泌物や強い悪臭がある
- ・ 38度以上の発熱や悪寒が続く
- ・ 視界がかすむ、二重に見える、視野の一部が見えにくい
これらは炎症や感染、血腫などの可能性も含まれるため、「様子を見ていれば治るはず」と放置せず、指示された連絡先に相談しましょう。
要受診セルフチェック
次の項目に当てはまるものがある場合は、早めにクリニックへご相談ください。
- □ 強い腫れが長引いている(通常の腫れは数日~1週間程度で落ち着きます)
- □ 痛みが増している/我慢できないほどの痛み
- □ 出血が止まらない、または血の塊が繰り返し出てくる
- □ 傷口から膿のような分泌物が出ている
- □ 目の開閉に違和感が強く、生活に支障がある
- □ 左右差が極端に大きくなっている
- □ 視界がぼやける、見えにくいなど視力に影響がある
- □ 発熱や全身のだるさなど、感染を疑う症状がある
- □ 糸が飛び出している、または皮膚の下で強く突き出ている感覚がある
連絡時に伝えるべき情報(手術日・術式・留め数・症状の開始時刻・強さ・写真)
電話やオンラインで相談する際には、状況を正確に伝えることが大切です。最低限、以下の情報を整理しておきましょう。
- ① 手術日と、施術を受けたクリニック・担当医
- ② 施術方法(埋没の術式名や点留め数など、分かる範囲で)
- ③ 症状が出始めた時刻と、その後の変化(いつから、どのくらい悪化したか)
- ④ 痛みの強さ(10段階のうちどれくらいか)
- ⑤ 発熱の有無、服用中の薬の有無
- ⑥ 可能であれば、腫れや赤みが分かる写真
あらかじめスマホで写真を撮っておくと、オンライン診療や再診時に経過が説明しやすくなります。

左右差や糸の違和感はいつまで様子見?再診の判断ライン
二重埋没後、多くの人が気にするのが「左右差」と「糸が入っているようなゴロゴロ感」です。これらは、術後しばらく続くこともありますが、多くはむくみの解消とともに徐々に落ち着いていきます。一般的には、数週間〜1ヶ月程度は様子を見ながら経過を観察することが多いです。
ただし、「まばたきのたびに強い痛みが走る」「触れなくても常に鋭い刺激がある」「明らかに糸が出てきている」などの場合は、単なる違和感の範囲を超えている可能性があります。定期検診のタイミングを待たずに、一度クリニックへ相談するのがおすすめです。
痛みが長引くケースの背景(体質・術式適合・生活要因)と再施術の検討
痛みが思ったより長く続く場合、その背景にはいくつかの要因が絡み合っていることがあります。もともとの体質やむくみやすさ、皮膚の薄さ・厚さ、選択した術式や点留め数がまぶたの状態に合っていたかどうか、術後の生活習慣(睡眠・食事・喫煙・運動など)も影響します。
医師の診察で、「時間をかければ落ち着く範囲の痛みなのか」「糸の位置調整や再施術を検討すべき状態なのか」が判断されます。再施術が必要になった場合の費用や保証の扱いも含めて、感情的になりすぎず、冷静に情報を整理して決めていくことが大切です。
痛みが長引いた事例を2つ紹介いたします。
1つ目は、糸が切れていたケースです。他院で二重埋没をされた方のまぶたの裏側に糸が出ており、それが眼球に当たって痛みの原因になっていました。当院にてまぶたの裏側から糸を抜くことで痛みがなくなりました。同様のケースを複数件対応させいただいた経験があります。
2つ目は、二重埋没の糸の締め付けによって「頭が重い」と感じられたケースです。日常生活にどれくらい支障があるかをお聞きし、「つらい」ということで糸を抜きました。まぶたは施術前の一重に戻りましたが、症状は改善しました。このように埋没法自体が合わない方もまれにいらっしゃいます。当院では37年間で数多くの二重埋没施術を行っていますが、同様事例の経験は2件のみです。当院で施術した後に違和感や痛みが生じた場合は、無料で検診させいていただいております。
まとめ/結論セクション
二重埋没の痛みは、「まったく痛くない」と言い切ることはできないものの、多くの場合は麻酔の選択と時系列に沿ったケアでコントロール可能な範囲に収まります。手術中は主に麻酔のチクッとした刺激と圧迫感、術後は数日間のズキズキや重だるさが中心であり、それらが時間とともに軽くなっていくのが通常の経過です。
一方で、片側だけ急激に悪化する痛みや、膿のような分泌、発熱、視覚異常などは、通常の二重埋没 痛みとは異なる「異常のサイン」であり、早期受診が合併症リスクを下げる鍵となります。
具体的な次のアクションとしては、
- ① 本記事の内容をもとに「痛み対策チェックリスト」を作成して保存する
- ② カウンセリングで、麻酔の種類・術中の痛みの説明・術後の痛み対策・受診の目安について具体的に質問する
- ③ 自分の体質や過去の麻酔経験を整理し、事前にしっかり共有する
この3ステップを踏むことで、「なんとなく怖い痛み」ではなく、「ある程度シナリオを理解した上で向き合える痛み」に変えていくことができます。













