ボトックス注入のメリット

顔のしわを改善する

ボトックスを注入する一番のメリットは、顔のしわを改善できること。しわの中でも、表情を変化させたときに目立つしわ(目尻、額、眉間など)の改善に向いています。
このタイプのしわは、普通の表情の時には目立たず、笑ったり、顔をしかめたりする時にできるので、自分では気づかないうちに深いしわが刻まれているということもよくあります。

ボトックス注入は、なぜ表情を変化させたときに目立つしわに効果的なのでしょうか? それは、ボトックス注入で使用する薬剤に筋肉の収縮を抑制する作用があるためです。
ボトックスは、ボツリヌス菌によって産生される「A型ボツリヌス毒素」が有効成分の注射剤ですが、脳から筋肉へ運動することを命令する際に働く神経伝達物質「アセチルコリン」を抑制する力があります。そのため、筋肉の収縮を抑制できるのです。表情を変化させたときに目立つしわに効果的なのも、この“筋肉の収縮を抑制する”働きのおかげ。しわの原因になっている筋肉にボトックスを注入することで、しわができにくくなるのです。

ボトックスの作用

厚生労働省で認可されたボトックス

ボツリヌス菌や毒素と聞くと、なんとなく不安を感じる人もいるかもしれませんが、治療に用いられる薬剤は、天然のタンパク質からできた毒素を分解、精製して作られたもの。ボツリヌス菌の菌体や培養液の成分などは一切含まれていません。
また「ボトックスビスタ」は、アメリカのアラガン社のボトックス注入用の薬剤で、日本で唯一、厚生労働省が認可している製品です。世界80カ国で、1100万人以上が治療を受けている製品なので、ボトックス注入を受ける際は、アラガン社のボトックスビスタによる治療か確認しておきましょう。
最近は、安価なボトックス注入用の薬剤も出回っているそうなので、要注意。信頼のできる医療機関で治療を受けるようにしましょう。

他の部位への効果

ボトックス注入は、しわの改善だけでなく、ほほ(エラ)のふくらみ減少にも効果があります。ふくらんでいるほほ・エラの筋肉に、ボトックス注入を行うと、筋肉が委縮するので、ほっそりとした印象にすることができるのです。
ほかに、ワキガ・多汗症の治療としても取り入れられています。ワキガはアポクリン汗腺が原因ですが、汗腺の働きをボトックスで低下させることで、ワキガや汗を少なくすることが可能です。

ボトックス注入後の効果

ボトックス注入後の効果ですが、注射をした当日はあまり効果が現れません。通常2~3日後からだんだんと効果が出て、1~2週間ほどで効果が安定してきます。効果が持続するのは3~6カ月程度。その後、数週間程度でゆっくりと消えていきます。効果が出て安定するまでに、少し時間がかかるので、イベントなどに合わせて肌を良いコンディションにしたい場合は、直前でなく余裕をもって治療を受けるとよいですね。